化粧品成分の最初の方で書かれている「BG(ブチレングリコール)」ってなに?

現在化粧品は、全成分表示義務があります。
そして、含有量の多い順に記載されています。(1%以下の成分は順不同)

成分表をよくよく見ると「水」が一番目に書かれていることが多いですが、二番目に多く見られる「BG」とはいったい何者なのでしょうか?
最初の方に書かれているということは、それだけ多く含まれているということです。

安全なの?なんのために入っているの?どうして水の次に多いの?

今回は、成分表で気になるBGについてのお話です。

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BGの概要

BGとは1.3‐ブチレングリコールまたはブチレングリコールの略称です。

医薬部外品に使われる場合は1.3‐ブチレングリコール
化粧品に使われる場合はブチレングリコール
というのが正式名称です。

BGには石油由来植物由来の二種類があります。
多く使われているのは石油由来のBGで、アセドアルデヒドから合成される多価アルコール類の一種です。

形状は無色透明で少し粘性がありますが、グリセリンに比べるとサラサラしています。
刺激の少ない比較的安全な成分とされています。(ほとんどの成分に言えることでしょうが、100%アレルギー反応を起こす人がいないというわけではありません)

BGの、化粧品の中での役目

・保湿効果

水と馴染みやすいので保水力や吸湿力に優れているため、保湿成分として使われます。
ヒアルロン酸やセラミドとまではいえませんが、基本成分としてはほど良い潤いを与えることができます。

保湿成分として使う場合には大量に必要なため、成分表の最初の方に表示されることになります。

・防腐効果

殺菌力はないけれど抗菌力があるので、防腐剤として用いられます。
抗菌作用として使う場合は10%以上の濃度が必要なため、成分表の最初の方に表示されることになります。

BG単独で防腐剤として使われることはありませんが、防腐剤の中でもよく使われている「フェノキシエタノール」や「パラベン」の使用量を少なくできるというメリットがあります。

・抽出溶媒として

植物から美容有効エキスなどを抽出する際、抽出溶媒として使われることがあります。
抽出溶媒として使われたBGは化粧品にも混ざるので成分表に表示されますが、このような使途の場合、BGはそれほど多く含まれていません。
抽出溶媒としてだけ使われていた場合、成分表では後ろの方に書かれることになると思います。

・酸化防止

BGには酸化防止効果があります。
酸化しやすいと言われているビタミンC、ビタミンC誘導体、APPSなどが含まれている化粧品にはよく使われています。

・その他

  • 香り成分を閉じ込め、長時間持続させる効果
  • アルコール作用で、水溶性成分をお肌に浸透させる働き

BGは「アルコールフリー」化粧品にも含まれている

化粧品表示に限って言えば、表示される「アルコール」というのはエタノール(エチルアルコール)のことです。
BGはエタノールではありませんし、表示ではアルコール扱いではないので、BGが含まれていたとしても「アルコールフリー」と謳えます。

エタノールは、使用感が「すっきり」「さっぱり」「爽快感」で使い心地が良い成分です。
お肌を引き締め、揮発性が良いのでどんどん浸透していくように感じられますが、揮発性が良いということは熱を奪って蒸発しやすいのです。
人によっては刺激が強かったり肌トラブルの元になりますので、エタノールを使わない化粧品はわざわざ「アルコールフリー(不使用)」などと書かれ、「刺激が弱い」ことを主張していることが多いですね。

お肌の弱い方は、エタノールが全成分表示の最初の方に表示されていたらご注意ください。

石油由来のBGと、植物由来のBG

先ほども少し触れましたが、BGには石油由来植物由来があります。
石油由来はアセトアルデヒドを合成して作られ、植物由来は発酵エタノールを合成して作られます。

普通なら、植物由来の方が安心なんですけど・・・と、思ってしまいますよね。
でも石油由来の方が主流で出回っていることには、いくつかの理由があります。

  • 安く製造できる(販売価格に影響)
  • 石油由来の方が安定性がある
  • 植物由来のBGと、安全性は同じ
  • 植物由来のBGと、効果や働きは同じ

イメージ的には「植物性」の方が良いですが、安全性や効果が同じで、安価で安定性があるということでしたら、石油由来が主流になるのも分かります。

グリセリンとBGの違い

グリセリンという成分も全成分表示の最初の方に表示されることが多く、BGと同じように化粧品のベースとして使われ、保湿作用のある成分です。
BGと一緒に配合されていることもあります。
BGよりグリセリンの方が保湿力があると言われています。

それならグリセリンだけでいいんじゃない?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり使い分けられているだけあって、グリセリンとBGでは性質が違うのです。

  • BGには抗菌力があるけれど、グリセリンにはない
  • BGの方が粘性が薄く、すっきり感がある

(BGに)抗菌力があるということは、他の刺激の強い防腐剤の使用量を極力抑えることができますし、お肌に乗せた時の爽快感を求める人も多いので、BGにもちゃんと利用価値があるのです。

結局、BGはあまり気にしなくていいの?

・動物試験とヒト試験において、皮膚刺激性がほとんどないとの結果
・今までトラブルや重大なアレルギーの報告がない
・紫外線による光感作性試験で、反応を示さなかった
・化粧品毒性判定時点では、ほぼ毒性無しとされている
・ヒト試験において、強い眼刺激性有り

ということで、全成分表示の最初の方にあっても(たくさん入っている)安全性が高いので、それほど気にする必要はなさそうです。

ヒト試験で眼刺激性は認められましたが、普通は化粧品を目に入れませんから、もし入ってしまった場合はすぐに水で洗い流してください。
試験でも、水で洗い流したらすぐに痛みはおさまったそうです。

この記事のポイント・BGは主に、保湿剤や防腐剤として使われる
・グリセリンに比べると、サッパリ感がある
・BGが配合されていても、エタノールが配合されていなければ「アルコールフリー」
・植物由来BGより、むしろ石油由来BGの方が使い勝手が良く、汎用性が高い
・安全性が高い
・BGを配合すると、他の防腐剤の量を減らせる

コメント

  1. るなっち より:

    こんにちは。

    いつも有益情報をありがとうございます。

    石油由来BGの方が使い勝手が良くて汎用性も高く安全なんですね。
    防腐剤という文字に敏感になってしまいがちですが過剰に気にする必要はないとわかり
    安心しました。

    また訪問します。

    • さくらノ より:

      こんにちは、こちらこそいつもご訪問ありがとうございます^^
      普通は植物由来の方が良いと思われがちですが、効果や安全性が同じなら、安価な方がいいですよねw
      激安化粧品は分かりませんが、(高価じゃなくても)それなりの化粧品に含まれている防腐剤は、一般の人からしてみるとそれほど危険だと思っていません。
      ただ敏感肌やアレルギーを持っている人は出来る限り避けたり量を減らした方がいいでしょうから、さらに安全性の高いBGで代用できるなら、その方がいいですよね。

  2. ミラ より:

    はじめまして。ランキングからきましたミラです。
    BGについて、全く意識がなかったので、参考になりました。
    ありがとうございます。また訪問します!

    • さくらノ より:

      ミラさん、こんにちは~
      化粧品も成分表なんて読まなかった頃はBGという名前すら知りませんでしたが、必ずチェックするようになると、やたらと目立って気になるBGですw
      成分表の下の方に書かれているものは少量しか配合されてないということになりますが、なにしろBGは水の次に多いような主要成分ですからね
      アルコールアレルギーの方は注意が必要ですけれど、普通の方はそれほど問題なさそうなのでわりと安心して使えると思います
      この手の話は、断言というものはできませんけれど^^;