※実体験には基づいていますが、事実かどうか確信を持てない表現も含んだ記事ですのでご了承ください
答えを先に言ってしまいますが、「肌の奥深くまで浸透」は、表向きは「角質層まで」のことです。
なぜそう言い切るかというと、化粧品は厚生労働省の薬機法により、浸透する範囲の表記としては「角質層まで」としか書けないことになっているからです。
それより奥に浸透させるという表現は、法律違反になります。
今回は、「薬機法があるから『角質層まで』としか書けないだけで、本当はもっと奥まで届いてるんじゃない?」という疑問を中心に書いた記事です。
目次
角質層ってどこのこと?
下の画像で、赤いラインまでが角質層です。
角質層は肌表面の、厚さはサランラップほどの薄い薄い層です。
薬機法では、この赤のラインまでしか「浸透する」と宣伝できないことになっています。
だからどのメーカーの広告やパンフレットも、大きく目立つ文字で「奥まで浸透する」と書いておきながら、どこかで(たいてい小さな文字で)「角質層まで」と注釈を付けるしかありません。
じゃあ化粧品は、一律「角質層」まで?
表向きはそういうことになります。
どんなに「肌の奥まで浸透」をアピールしても結局は「角質層まで」との注釈付きですし、浸透することをアピールしていない基礎化粧品でも、角質層までは浸透するでしょう。
むしろ浸透してくれないなら、なんのために使っているのか^^;
ということで、「肌の奥まで浸透」という言葉はイメージ戦略であり、実際にはそれほど意味がある言葉だとは思えません。
でも本当はもっと奥まで浸透してるでしょ?
私は専門家ではないので言い切ることはできませんが、多分、角質層より奥まで浸透する化粧品は存在していると思います。
私のその考えの根拠は、角質層よりもっと奥にある「基底層」まで届かないと効果を発揮できない化粧品を使い、効果が出たからです。
本当に角質層までしか届かないなら、その効果は出なかったはずなのです。
その効果とは「シミが薄くなったこと」なのですが、それについては次の項目で説明していきます。
シミが薄くなるメカニズムと私の根拠
私が使った化粧品にはハイドロキノンという成分が配合されいます。
ハイドロキノンは紫外線などで出来てしまったメラノサイト(メラニン色素を作る場所)に働きかけ、メラニン生成の邪魔をしたり、黒くなってしまったメラニンの色を薄くする作用があります。
でもそのメラノサイトは角質層のずっと奥、基底層に存在しています。
化粧品というものが本当に角質層までしか届かないのなら、ハイドロキノンはメラノサイトまで到達できず、シミを薄くする効果が出ないはずです。
でも私は、ハイドロキノンを使ってシミが薄くなったんですよね・・・
その事実が、「角質層より奥まで浸透する化粧品(成分)もあるだろう」と、私が考える根拠になっています。
なにしろ個人的な実体験でして、専門的な研究をした結果の話ではないのでご了承下さい。
でももし本当に角質層までしか届いていないとしたら、私が体験したことは「たまたまその時に限ってタイミング良くなぜかシミが薄くなった」か、「メラノサイトが基底層にあるというのは嘘で、実は角質層に存在してたという新事実!」など、色々と矛盾が多くなります。
やはり「基底層まで届く成分もある」という結論が、一番しっくりきます。
・【体験レビュー】ビーグレン「QuSomeホワイトクリーム1.9」70日間のシミの変化
・シミ・色素沈着にビーグレン「QuSomeホワイトクリーム1.9」レビューと使用感のまとめ
成分が角質層より奥に浸透した場合の危険性
化粧品の実際の浸透範囲について調べ物をしていますと、「角質層より奥まで浸透するはずない」という意見も多いです。
その理由は、「角質層より奥まで届いたら危険」だからです。
何がどんな風に危険なのか、書いていきますね。
まず、角質層には「バリア機能」があるということが大前提です。
バリア機能が無いとなんでもかんでも皮膚に浸透してしまって、身体がボロボロになります。
バリア機能は角質層の大事な役目です。
そして角質層の奥では「ランゲルハンス細胞」が異物の侵入を見張っていて、万が一不審者が侵入した場合はランゲルハンス細胞のセンサーが働いて免疫系スイッチが入り、炎症や痒みを引き起こすことがあるのです。
敏感肌の一因にもなりえます。
そのような理由で、厚生労働省が「角質層より奥まで侵入させるのは好ましくない」と判断した結果が、広告などで「浸透する範囲は角質層まで」としか謳えない規制をすることになっているのだろうと言われています。
角質層より奥に成分を届けるのは技術的に無理?
無理ではありません。
医薬品の湿布や塗り薬などは成分をもっと奥まで届けていますから、技術的に届けられないわけではないです。
化粧品の成分に関しても製造過程の技術によって角質層より奥に届けられる成分はあると思うのですが、なにしろそれを一般向けには明記できないため、私たち消費者には知る由もありません。
ただ、「メラノサイトに働きかける」と書かれている広告はいくらでもあります。
「メラノサイトに働きかける」=「角質層を突破して基底層まで届く」という意味になりますが、その表現は規制されていないんですかね?
不思議です・・・
よく効く成分は刺激が強い?
この項目は、私の体感と予想です。
今まで成分を重視しながらたくさんの化粧品を使ってきましたが、効果が分かりやすい(美容効果が高い)成分ほど、刺激の強い傾向があるように思います。
そしてこの考えは、上に書いてきたこと(私の想像も含む)が本当だとすれば、当たり前ということになります。
肌の悩みは角質層で起こっていることもありますが、40代以上のお肌の悩みナンバー3は、シミ・たるみ・シワになります。
このナンバー3は、角質層のケアだけではあまり解消されません。
シミは基底層に原因がありますし、たるみや深いシワなどはさらに奥の真皮に原因があります。
そして、もしシミが消えたりたるみやシワが解消されれば、すごい効いた!って感じますよね。
もし効いた場合は、美容成分が角質層より奥まで浸透したからということになります。
上の画像で、赤いラインが薬機法で許可されている「角質層まで」に当たりますが、シミやたるみの原因にアプローチするためには、緑色の矢印のように角質層を突破しなくてはなりません。
ということは、「成分が角質層より奥に浸透した場合の危険性」の項目で書いたランゲルハンス細胞センサーのスイッチが押されて、刺激が発生しやすくなっているはずです。
普通肌の人は平気かもしれませんが、多少の敏感肌である私は、いくつかの”効く成分”で刺激を感じた経験があります。
今考えてみれば、角質層を突破した美容成分が、ランゲルハンス細胞センサーに見つかったからかな?と思いますが、断言はできません。
そんな理由で、「よく効くと感じる美容成分」=「シワやたるみにアプローチできる成分」=「角質層を突破して奥まで届く美容成分」=「ランゲルハンス細胞が反応」=「刺激が強い」ということになるのではないかと思うのです。
まとめ
・「肌の奥深くまで浸透」の表現は、イメージ戦略として捉えておいた方がいい
・薬機法で、角質層より奥まで浸透するかのような表現は禁止されている
・でも実際はもっと奥まで浸透している成分もあると思う
・角質層より奥に入ると、炎症や痒みなどの刺激を受ける可能性が高い
広告には「角質層まで」としか書けないのに、実際にはもっと奥まで届いているだろう化粧品があり、それの規制はしていないようなので、そこが私にとってはどうもしっくりきませんが。
ただ自分には実際に効果が出ているので、角質層より奥まで届くであろう化粧品を毛嫌いする気持ちはないというか、商品によっては好んで使っています。
普通肌の人からしてみると「角質層までなんて物足りない!もっと奥まで浸透させて!」と思うかもしれず、だからこそメーカー側も「奥深くまで浸透」という言葉を魅力的なキーワードとして選ぶのでしょうけど・・・
逆に敏感肌の人が「角質層まで」の注釈を見て「角質層までなら安心」と思って買ったのに、実際はもっと奥まで届く化粧品で(普通肌の人にとっては嬉しい化粧品)、それが原因で刺激を感じてしまうのは危険ではないのでしょうか。
化粧品やメーカーに対してではなく、薬機法に対して、包み隠さずもっと矛盾を感じないような表示方法を考えて欲しいと願うばかりです。
どうもごまかしとか嘘とか、抽象的で勘違いさせやすい表現とか、そういうのが多すぎるんですよね^^;
コメント
こんにちは、ランキングよりきました。ご自身の実体験からの記事でしたのでとても説得力があり読みやすかったです。勉強になりました☆
さわさん、こんばんわ~
訪問と拝読、ありがとうございます。
なにしろ専門家でも研究者でもないので明確なエビデンスを出せず、「絶対に○○!」と言い切れないのがもどかしいですが^^;
厚生労働省が各メーカーに「角質層まで」と規制をかけておきながらのこの状況が、化粧品について勉強しながら文章を書いている上で一番矛盾に感じている部分であり・・・
触れてはいけない話なのかもしれませんが、書いてしまいました(笑)