野菜は旬の時期の方が栄養価が高い!旬野菜のススメ

健康や美容に良いとされている成分の中に、ビタミンCβカロテンがあります。
でもこれらの栄養素、季節によって含有量が全然違ったりすることを知っていましたか?

季節感を味わうと共にたくさんの栄養素も摂れてしまう、旬野菜についてのお話です。

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「野菜の旬」の定義

「その食材が一番美味しい季節(時期)」という捉え方でだいたい合っているのですが、もっと正確にいうと、以下のようになります。

・一年の中で一番生育状態が揃っている
・一年の中で一番成熟している
・一年の中で一番収穫できる

「旬」は地域によっても違い、種類によっては南と北で2ヶ月ほどズレることもあります。

昔は旬の時期になると値段が下がったものですが、今は栽培環境が整えられたり品種改良されたりして、一年中店頭に並ぶ野菜も増えました。
そのため、季節による価格変動が少なくなりましたが、その代わりに一年中同じ野菜を同じような値段で買うことができるというメリットもあります。

いま大きく価格が変動するのは、季節よりも気候(天気)のような気がしますね。

古い日本食品標準成分表は成分量が多め?

文部科学省の日本食品標準成分表についてですが、1982年改定の「四訂日本食品標準成分表」までは、2000年改定の「五訂日本食品標準成分表」以降より、各野菜の成分量が多めに記載されていました。

この理由として、昔の方が成分量が多かったとは限りません。

四訂までは主に旬時期の成分量が記載されていましたが、五訂からは年間の平均値が記載されるようになったため、両者を比べると四訂に記載されている数値の方が大きくなってしまうのです。

年間の最大値ではなく平均値を調べたい場合は、五訂以降の日本食品標準成分表を読んだ方が良さそうです。

野菜の栄養価と旬についてのトリビア

女子栄養大学の教授、辻村卓さんが大変興味深い検証をされており、その結果が面白かったのでここでまとめてみます。(辻村さんのサイトはこちらから

辻村さんは東京都とその近隣5地域の店頭から購入した野菜や果物40種類を、約20年間実験してきました。
毎月同じ野菜を購入し成分量を分析した結果、分かったことです。(一部意訳しています)

・1年を通じて、野菜には必ず成分量に波がある
・栄養価の高い時期は3ヶ月ほど続く
・検証で分かった「栄養価の高い時期」は、昔から「旬」と言われている時期と重なる
・昔より酸っぱさが減り甘みの増えた最近のトマトは、ビタミンCが半分以上減少している
・旬かどうかによって変化の大きい栄養素は、βカロテンビタミンC
・季節による変動が大きくなる代表格は、ホウレン草
・人参やブロッコリーも変動が大きい
・季節による変動が小さいのは、検証した野菜の中ではセロリとピーマンの2種類だけ
・ハウス栽培で育てられた野菜でも、旬の方が栄養価が高い
・ビタミン類含有量は、有機栽培野菜と慣行栽培野菜を比べると大差ない
・冬野菜は夏になると水分が多くなる(栄養価は低くなるが食べやすい)
・ビタミンは冷凍しても、1年くらいならほぼ減少しない(ビタミンは解凍時に溶け出すので、食べる時は冷凍のまま加熱を)
・根菜類と芋類は基本的に葉物と比べて変動が少ないものの、馬鈴薯のビタミンCは大変動
・ミネラルはβカロテンやビタミンCに比べると、季節による変動が大きくない

旬の時期とこんなにも違う栄養価

栄養価を摂りたくて食べている野菜も、旬じゃない時期だと期待しているほどは摂れないかもしれません。

βカロテンの場合、人参は2.5倍、ホウレン草は3倍、ブロッコリーは4倍。
ビタミンCの場合、トマトとブロッコリーは2倍、ホウレン草は4倍、馬鈴薯は5倍も違うのです。

とはいっても、人参のβカロテンは最少月でもかなりの含有量がありますので、旬じゃない時期でも積極的に食べたいですけれど。

栄養価が高い時期の一覧表

代表的な野菜の、「それぞれの一番栄養価が高い時期」の一覧表です。

たとえば1月に「グリーンアスパラガス」と入っていますが、「1月に一番ビタミンCの多い野菜がアスパラガス」というわけではありませんので、ご注意を。
「グリーンアスパラガスのビタミンCが一番多いのは1月」という意味です。

旬の時期は地域によっても違いますので、目安として捉えてください。

グリーンアスパラガスは本州で4月~5月、北海道で6月と言われています。
そしてβカロテンは確かに5月が一番多いのですが、ビタミンCは1月に一番多いんですよね。

人参も、ビタミンCは10月でβカロテンは6月になっています。
人参は金時人参か西洋人参かにもよって旬の時期は違いますが、だいたい秋~冬にかけてです。

このような場合も有り得ますので、必ずしも全ての栄養価が旬の時期に高いとは言い切れないようです。

まとめ

ポイント・ビタミンCとβカロテンは季節による栄養価の変動が大きい
・ビタミンCとβカロテンは必ずしも同じ時期に年間最高含有量になるとは限らない
・昔から旬と言われている時期は、たいてい栄養価が高い
・人参のβカロテンなど、年間最少含有量の時期でも他の野菜に比べれば栄養価の高い野菜もある 

昔の人はすごいですよね。
検証や研究結果も無い頃から、自分たちの感覚で、ちゃんと栄養価の高い時期に栄養価の高い野菜を食べていたのです。
それを選んで食べていた人間も、それに合わせて育つ植物も、自然の摂理を深く感じてしまいます。

栄養価だけではなく、たとえば夏野菜は身体を冷やす効果があったり、とにかくなにかとその季節に合った働きをしてくれるんですよね。

旬の食材は季節感を感じられますし、その上栄養価も高いのでいいことばかり!
この冬は野菜が高すぎて旬野菜を思う存分食べられなかったという方も多いかもしれませんが、次の冬には価格が落ち着くといいですね^^;

コメント

  1. るなっち より:

    こんばんは

    旬な野菜をとるようにはしているのですが
    栄養素、季節によって含有量が全然違うからということなのですね!!!

    とても勉強になりました。
    応援ポチして帰ります

    • さくらノ より:

      こんばんわ~
      健康のことなど考えなくても、旬の野菜は元々買いやすいし安いし美味しいしで、わりと食べる方だとは思います。
      でも、美容と健康を考えてスムージーを毎日飲むような人は、一年中同じ野菜で「私のスムージーはこれとこれ」などと決めつけない方がいいですよね。
      出来る限り旬と栄養素の兼ね合いを考え、季節によってレシピを変えた方がいいんだろうな~と思いました。
      自然界って本当に上手くできていますよね(笑)