睡眠時間/日本人の睡眠時間は、世界の最低ランク!?

前回は、日本国内における睡眠時間による都道府県別ランキングをご紹介しました。
今回も同じく睡眠に関するお話ですが、世界ランキングを見ていきたいと思います。

前回の、都道府県別ランキングの記事はこちらをご覧ください↓

睡眠時間、就寝時間、通勤時間の全国都道府県別ランキングを元に、地域による睡眠時間(睡眠不足)の傾向を考えてみました。なんとなく都心部の方が睡眠時間が短いような気がしていたのですが、やはりその通りの結果になっています。

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世界の睡眠時間

ちょっと古いデータなのですが、2009年経済協力開発機構(OECD)の29カ国を対象に調査したものです。
都道府県別ランキングでは、日本の睡眠時間の全国平均は7時間40分になっていますが、調査した機関と時期が違うこともあり、こちらのデータでは7時間50分(470分)になっています。

縦の緑のラインが、世界の平均値です。
トップ6(青)とワースト6(赤)を載せてみました。

これは男女合わせた総計なのですが、女性に限っていえば、韓国より下の最下位になっています><
しかも総計でも、日本と最下位の韓国は1分しか違いませんから、日本もほぼ最下位のようなものです。

トップと最下位とでは、睡眠時間が1時間も違うんですよね・・・

スペインにはお昼寝の習慣があるとか、ヨーロッパは日照時間の関係があるなどという説もあります。

もっと新しい2014年のデータでも、相変わらず日本と韓国が最下位争いをしています。
トップの方は様変わりしており、以下のようになっていました。

  • 1位 南アフリカ
  • 2位 中国
  • 3位 インド
  • 4位 ニュージーランド
  • 5位 アメリカ、スペイン

日本人はいつから睡眠時間が短いの?

日本人の睡眠平均時間は、1960年~2005年までの45年間に50分も短縮しています。
その後も年々減少傾向にあり、2009年~2014年の5年間にも、7分短縮しています。

1960年当時は今より全国平均睡眠時間が50分長かったのですから、470分+50分=520分(8時間40分)ということで、2009年の上のデータでいえば1位のフランスに10分差で迫るくらいの睡眠時間があり、ずっとそのままだったなら・・・と思ってしまいますね。

気になるのは、1960年当時の世界ランキングですが。
日本が50分増える分、他国も同じだけ増えているなら今と同じく最下位ですね。
でもフランスが530分+50分=580分なら、睡眠時間が9時間40分ということで、それだといくらなんでも寝過ぎのような気がするのですが、どうなんでしょうか^^;

日本人の睡眠不足の原因

日本人の睡眠時間が短い原因については色々な説がありますが、実際に色々な要素が合わさっての、この結果なのでしょう。
言われているいくつかを挙げてみます。

  • 勤務時間の長さ
  • 通勤時間の長さ
  • ネットの普及で深夜まで遊べる
  • 「遊び」がネットやゲームなどのインドア傾向にある
  • 深夜型のサービス業が充実し、深夜に活動しやすい
  • 睡眠教育が消極的で、睡眠に対する意識が低い
  • 共働き率の増加

上の各項目を、世界ランキングでざっくり調べてみました。
その結果をまとめてみます。

  • スマホ・ネットの普及率は10位台で、先進国としては特に上位でもない
  • 労働時間や残業の長さは10位台
  • 日本は専業主婦率が比較的高い(国内だけで言えば昔より減ってる)
  • 日本の平均通勤時間は世界の平均より長い

以上のことから、「スマホ・ネットの普及」、「労働時間の長さ」、「共働き」というのは睡眠不足の原因にはなりますが、それについては日本だけが特別過酷な状況にあるわけではないので、「日本の順位が低い」理由にはなり辛いです。

ただ、共働きについてだけは、ちょっと思うところがあります・・・
次の項目をご覧ください。

日本人女性は世界一睡眠時間が短い

その理由は、家事、育児、仕事のトリプルワークが原因ではないかと言われています。

先ほども書いた通り、日本人の専業主婦率は世界的に見れば高いのです。
だから「共働き」は「日本が最下位であることの理由にならない」と書きました。
でも・・・

確かに「共働き」そのものは理由にならないかもしれませんが、その内容をよく見ると、そこに日本人女性の睡眠時間の短さが見え隠れしています。

そもそも同じ国内の男女比を見た場合、ほとんどの国では女性より男性の方が睡眠時間が短いのです。
でも日本は、男性より女性の方が睡眠時間が短いという、稀な国です。

どうしてそうなってしまうのか、思い当たる点を挙げます。

  • 働く男女を比較した時、世界平均からすると労働時間の差が少ない
  • 既婚男性の、育児を含む家事負担率世界ランキングで、日本は圧倒的に最下位

つまり、兼業主婦の労働時間が長いんですね。
いくら専業主婦率が高くても、兼業主婦の労働時間が長ければ平均睡眠時間が下るのは簡単に想像できます。

家事負担率についてですが、ここ何年かは「イクメン」なんて言葉も出てきたというのに、それでもまだまだ世界から見ると、日本人男性の家事負担率はとても少ないです。

世界ランキングのトップ4の国は、既婚男性の家事負担率が40%を超えています。
家事・育児100%のうち、40%を男性が負担しているということです。
一方、ブービー賞のチリは24.5%、そして最下位の日本は18.3%ということで、既婚の日本人女性は家事・育児100%のうち、約80%を負担しなくてはなりません。

専業主婦ならともかく、(女性としては)世界トップクラスの労働時間をこなす兼業主婦にとっては厳しい状況ですね。
こういう過酷さが、巡り巡って少子化に繋がっているような気がしなくもないです。

睡眠時間の少ない年代は?

日本人の睡眠時間平均は子供も含めたデータであり、子供は比較的睡眠時間が長いです。
ということは、平均である7時間40~50分を満たしている大人は少ないということになります。

特に働き盛りの30~50代は睡眠時間が短く、40代にいたっては6時間未満の人が50%前後もいるのです。

睡眠6時間未満が一番多い分布は、40代女性の52%になります。

まとめ

日本の、睡眠不足による経済損失は15兆円とも言われています。
睡眠不足が原因で生産効率が落ち、アメリカの生産効率に比べて2/3程度になってしまうそうです。

ヤフーやアマゾンもそうですが、最近は欧米資本の会社が社内に仮眠スペースを設ける動きも増えてきました。
それだけ睡眠不足を重要視しているということでしょう。
眠いまま仕事をして2/3の効率なら、9時間のうち3時間寝てても同じことですもんね(笑)
どの会社もそのスペースを取るというのは難しいでしょうが、少なくともブラックな労働は意味がないということを分かってほしいものです。

遅ればせながら、日本でも睡眠学習の活動が広まりつつあったり、快眠グッズが続々と発売されてりして、少しずつ睡眠に対する意識が向上しているように感じます。
睡眠不足は「ただ眠い」だけではなく、身体にもけっこうなリスクを与えます。

都道府県別ランキングや世界ランキングから睡眠不足を色々と考察してきましたが、次回は睡眠不足による悪影響や、睡眠不足の解決方法などについてのお話をします。

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