大豆イソフラボンの摂取量目安は?過剰摂取した時のリスクは?

女性に嬉しい大豆イソフラボンですが、1日どのくらいの量を摂取したらいいのでしょうか。
何をどのくらい食べるのが良いのでしょうか。
大豆イソフラボンを過剰摂取した場合の副作用にはどんなものがあるのでしょうか。

今回は、大豆イソフラボンの適度な摂取量、過剰摂取などについて書いていきます。

大豆イソフラボンが更年期障害に効く理由についてはこちらの記事をご覧ください↓

大豆イソフラボンが女性の身体、特に更年期障害に良いというのは有名な話かもしれませんが、何がどんな風に良いのか、その仕組みをおさらいとしてまとめてみました。更年期障害の症状は無くても骨粗しょう症や動脈硬化対策として、女性ホルモン(エストロゲン)が減少し始めるアラフォー世代以降には積極的に摂取してもらいたい成分です。

大豆イソフラボンの効果についてはこちらの記事をご覧ください↓

大豆イソフラボンの効果・効能と、種類についてのお話です。大豆イソフラボンとは一言でいっても種類が色々あり、吸収率が良いもの悪いものなど・・・。食事ではあまり細かいことを考えず大豆製品を適量ずつ摂っていけばいいのですが、種類を把握しておくと、大豆イソフラボンサプリメントなどを購入する際の参考になるかと思います。

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大豆イソフラボンの1日摂取量目安と上限量

大豆イソフラボンの摂取は1日50mg以上で効果が認められていますが、厚生労働省による平成14年の国民栄養調査では、日本人の1日摂取量は16mg~22mg(アグリコン換算値)という結果が出ています。
また、一般的な食事をする日本人の85%は、1日の摂取量が45mg以下です。

食品から摂取する大豆イソフラボンの上限量は、食品安全委員会(内閣府の機関)で検討した結果、1日70~75mgとされています。
後述しますが、上限量を超えたからといってもただちに健康被害を及ぼすという意味ではなく、あまり気にせず食べてもいいようです。

サプリメントなどでの上乗せ摂取は、30mg(アグリコン換算値)が上限です

ポイント・できれば1日40~50mg摂取したい
・でも実際のところ日本人の摂取量の平均は18mgくらい
・食品から摂取する上限量は70~75mg
・サプリメントなどで上乗せ摂取する上限量は30mg

 アグリコン換算値とは

大豆イソフラボンは、糖と結合している状態で吸収効率の悪いグリコシド型イソフラボンと、糖と切り離されている状態で吸収効率の良いアグリコン型イソフラボンの二種類に分かれています。
グリコシド型はそのままだと大きすぎて吸収できないため、一度腸内で糖と切り離し(そうするとアグリコン型になる)、その後体内に吸収されることになります。

同じ「イソフラボン」とは言っても、グリコシド型は糖の分量も含まれていて重いため、全く同じ土俵では計算できません。
そこで、トクホでの表示は2007年4月から、「アグリコン型」に統一されました
(それ以前はグリコシド型で統一されていました)

グリコシド型(配糖体)1mg → アグリコン型0.625mg
アグリコン型1mg → グリコシド型(配糖体)1.6mg

大豆イソフラボンの種類についてはこちらの記事をご覧ください↓

大豆イソフラボンの効果・効能と、種類についてのお話です。大豆イソフラボンとは一言でいっても種類が色々あり、吸収率が良いもの悪いものなど・・・。食事ではあまり細かいことを考えず大豆製品を適量ずつ摂っていけばいいのですが、種類を把握しておくと、大豆イソフラボンサプリメントなどを購入する際の参考になるかと思います。

大豆食品に含まれる大豆イソフラボンの量

(mg/100g)

食品名検体数含有量平均含有量
大豆1188.3~207.7140.4
煮大豆369.0~74.772.1
揚げ大豆1200.7200.7
きなこ2211.1~321.4266.2
高野豆腐188.588.45
おから110.510.5
金山寺みそ112.812.8
油揚げ類328.8~53.439.2
豆腐417.1~24.320.3
納豆265.6~81.373.5
味噌812.8~81.449.7
醤油81.0~1.70.9
豆乳37.6~59.424.8

(参考:厚生労働省 大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A

豆腐はほとんどの市販品が1丁300~350gです。
木綿豆腐と絹ごし豆腐でも含有量が違うのですが、こちらのデータには載っていませんでした…
だいたい木綿豆腐の方が、絹ごし豆腐より10%ほど多いです。

納豆は3連パックで売られてるよくあるタイプの場合、1パック40~45gの商品が多いですね。
豆乳は一人用の紙パックですと、200gのものが多いです。
お味噌汁に使う味噌の量は人によっても違うと思いますが、20g前後ではないでしょうか。
いま目の前に生みそタイプのインスタントみそ汁があったので重さを見てみたら、18gでした。

モデル例
納豆1パック40g → 大豆イソフラボンの量が約20mg。
豆腐1/2丁150g → 約35mg。
味噌汁1杯の味噌の量20g → 約10mg。朝晩合計2杯で20mg。上記全てを合計すると大豆イソフラボンの量は75mgになり、この程度の量が1日の上限値になるようです。

大豆イソフラボンの上限量はどんな基準で決められたの?

●食品から摂取する大豆イソフラボンの上限量(75mg)は、イタリアのヒト臨床研究の結果に基づいています。

経後女性を対象に大豆イソフラボン錠剤を150mg/日、5年間、摂取し続けた試験において、子宮内膜増殖症の発症が投与群で有意に高かったことから、大豆イソフラボン150mg/日はヒトにおける健康被害発現量と考えられる。

試験対象者が閉経後女性のみであることや個人差等を考慮し、150mg/日の2分の1大豆イソフラボンアグリコンとして75mg/ 日をヒト臨床試験に基づく、現時点におけるヒトの安全な上限摂取目安量とする。

(出典:食品安全委員会議事録

●特定保健用食品としての、大豆イソフラボンの一日上乗せ摂取上限量(30mg)は、日本での研究結果に基づいています。

大豆イソフラボンを57.3mg/ 日及び147mg/日摂取した試験において、血清E2濃度の低下と月経周期の延長が併せて見られることから、大豆イソフラボン57.3mg/ 日を上乗せして摂取する場合を作用量とした。

試験設計の差や個人差等を考慮し、57.3mg/ 日の2分の1大豆イソフラボンアグリコンとしておおよそ30mg/ 日を閉経前女性における特定保健用食品として、日常の食生活に上乗せして摂取する量の上限値を設定する。

(出典:食品安全委員会議事録

※「E2」というのはエストラジオールのことで、エストロゲンの一種です。
エストロゲンは大事な大事な女性ホルモンですから、濃度が低くなるのは困ります!

70~75mgを超えたら危険?

日本においては、これまで、大豆イソフラボンを含む多種多様な大豆食品が日常的に摂取され、日本人は一般的な大豆食品の食経験を有しています。
これら大豆食品の摂取に関し、安全性について特別の問題が提起されたことはありません。

(出典:農林水産省)

大豆イソフラボンアグリコンの一日摂取目安量の上限値、70~75 mg/日は、この量を毎日欠かさず長期間摂取する場合の平均値としての上限値であること、また、大豆食品からの摂取量がこの上限値を超えることにより、直ちに、健康被害に結びつくというものではないことを強調しておく。

(出典:食品安全委員会)

一時期、「あまり大豆イソフラボンは摂らない方がいいのではないか?」という懸念がマスコミを中心として世間に広まり、段々と「大豆食品は身体に良くない」などと、極端な意見も出るように。

そのような騒動の中で最終的に、食品安全委員会は「上限値超えることにより、直ちに、健康被害に結びつくというものではないことを強調しておく」と結論付けていますので、たまに70~75mgを超えたところで、それほど大騒ぎするようなことでもないようです。

多くの専門家の中にも「70~75mg」という数字に疑問を投げかける人が多く、結局のところは「日本人が昔から食べてきた身体に良い食品だし今まで健康被害も無いのだから、あまり数値に捉われず今後もしっかり食べましょう」という感じでしょうか。

もちろん長期に渡っての極端な摂りすぎは良くないと思いますが、あまり神経質にならなくてもいいと思います。
それよりも、他の食材も含めた栄養バランスが一番大事ですね。

大豆イソフラボンの過剰摂取によるリスク

長いこと日本人が好んで食べてきた大豆食品ですが、今まで健康被害の報告がないところから見ても、食事で大豆イソフラボンを摂取することに関しては、それほどリスクを考えなくてもいいと思います。

ですが、特定保健用食品としての、サプリメントなどの過剰摂取には注意が必要です。
あくまで「足りない分の補充」程度にして、大豆食品をたくさん食べた日には摂取しないなどの工夫をしてみてください。

大豆イソフラボンの過剰摂取によるリスクは、以下のようなものがあります。

  • 子宮内膜症増殖症(→子宮がん)
  • 乳がん・乳がんの再発
  • 胃腸の不調(消化不良)
  • ホルモンバランスの乱れ
  • ほてり
  • 月経異常
  • 冷え
  • 体臭

大豆イソフラボンの上乗せ摂取に注意が必要な人

妊婦・胎児・乳幼児・小児に関してはじゅうぶんなヒト試験ができないためデータが少なく、動物試験の結果を考慮した推察になります。

・妊婦、胎児

高濃度の大豆イソフラボンを投与した動物試験で、胎児の生殖機能への影響を示唆する報告がありました。
また、大豆イソフラボンを含むフラボノイドは、DNAの合成や複製に関わるトポイソメラーゼⅡを阻害する働きがあり、一方で妊婦が大豆イソフラボンを上乗せ摂取するメリットも認められないとのことで、「推奨できない」とされています。

・乳幼児、小児(15歳以下)

高濃度の大豆イソフラボンを投与した動物試験で、生殖機能への影響を示唆する報告がありました。
生殖機能が未発達な乳幼児と小児に対し、特定保健用食品として大豆イソフラボンを上乗せ摂取することは、今後安全性が明確になるまでは「推奨できない」とされています。

まとめ

大豆イソフラボンには上限値の定めがあるもののそれほど気にせず、大豆食品も含め、普通にバランスの良い食事を摂りましょう、ということですね。

主に注意するべきは、特定保健用食品としての過剰摂取や、妊婦・15歳以下の小児ということになります。

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一般的に45歳から55歳までが「更年期」とされています。 アラフィフの方は「更年期」と「更年期障害」の違い、更年期障害の基礎知識などを知っておいた方が良い年代に当たります。 いざという時に慌てなくて済むよう、ぜひこの機会に一度ご覧ください。
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更年期障害に効果的なローヤルゼリー特有の成分「デセン酸」。デセン酸の含有量を正確に計算し、コスパの高い商品を選んでください。

コメント

  1. るなっち より:

    こんばんは
    大豆イソフラボンの過剰摂取はあまり気にすることはないのですね。
    食事でなるべく取れるように意識していきたいです。
    また訪問させていただきます。

    • さくらノ より:

      一応上限が70~75とはされていますが、それは万が一のために(実験結果より)少なめに設定した数値ですし、長期に渡って上限を超過したままというのも、普通に生活しているとそんなにないことですよね。
      私もけっこう夕食で納豆や豆腐を食べる機会は多いものの、たとえば昨夜は大豆食品を食べていませんし、毎日必ず超過させる方が大変そうですw
      なんでもストイックにはなりすぎず、バランス良く生活することを心がけるのが一番なんでしょうね。