いよいよ本格的に日焼け対策が必要な時期になってきました!
みなさん、既に対策はされていますでしょうか?
今回は日焼け止めクリームなどに含まれる、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤のメリットとデメリットについてお話しします。
目次
日焼け止めの種類
日焼け止めを買おうと思ってもたくさん種類がありすぎて迷ってしまいますよね。
まず、基本的な種類についてです。
日焼け止めの成分
- 紫外線吸収剤
- 紫外線散乱剤
紫外線防御力
- SPF(SPFの後ろに付く数値、例:SPF50など)
- PA(PAの後ろに付く+の数、例:PA++++など)
※SPFとPAについて詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください↓
タイプ
- ジェル
- クリーム
- スプレー
- パウダー
今回はまず、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤について詳しく触れていきます。
どちらを選ぶべきかは人それぞれの肌質やライフスタイル、使用目的にもよりますので、ご自分に合った日焼け止めを選ぶ参考にしていただければと思います。
紫外線吸収剤と紫外線散乱剤のメカニズム
上の画像の緑色とピンク色は、それぞれ紫外線吸収剤と散乱剤をお肌に塗った状態です。
・紫外線吸収剤は一度紫外線を吸収し(肌が吸収するのではなく吸収剤が吸収する)、皮膚上で化学反応を起こし、熱やエネルギーとして肌の外に放出することで、肌に紫外線が届くことを防ぎます。
・紫外線散乱剤は鏡のように紫外線を直接跳ね返すことで、お肌を紫外線から守ります。
紫外線吸収剤のメリットとデメリット、最近の改善策
・紫外線吸収剤のメリット
- 滑らかなので伸びが良い
- ベタつかずに付け心地が良い
- 汗に強い
- 油溶性なので肌に馴染みやすい
- 紫外線防御力が高い
・紫外線吸収剤のデメリット
- 皮膚上の化学反応により、アレルギーやかゆみを引き起こしやすい
- 熱やエネルギーとして放出される際に水分が奪われ、肌が乾燥しやすい
- 製造過程で油分を使うために酸化しやすく、赤みやかぶれを引き起こしやすい
- 一定量を超えた紫外線を吸収すると分子構造が壊れ、有害物質として肌に吸収される
・最近改善されていること
皮膚に触れない(皮膚上で化学反応が起きない)ように、マイクロカプセルに閉じ込めた商品が出ています。
成分表に「ポリシリコーン-14」「ポリシリコーン-15」などの表示があれば、シリコンコーティングされていると思われます。
紫外線散乱剤のメリットとデメリット、最近の改善策
・紫外線散乱剤のメリット
- 皮膚上の化学反応はないので、紫外線吸収剤より肌に優しい
- クレンジングを使わなくても落とせる商品が多い
・紫外線散乱剤のデメリット
- 白浮きしやすい
- 厚化粧に見える
- 使用感が悪い(伸びが悪い、肌に馴染みにくい、ベタベタする、など)
- 汗で落ちやすい
- 散乱剤の粒子が水分や皮脂を吸着するので、乾燥しやすい
- 紫外線吸収剤と比べると紫外線防御力が低い
・最近改善されていること
粒子がナノ化され、白浮きしにくかったり伸びが良くなったりと、使用感の良い商品が出ています。
ナノ化されることには賛否両論があるものの、まだナノ化された酸化チタンによる健康被害の報告は無いようです。
ただ、肌に塗布する分には問題なさそうですが、吸引にはご注意ください。
紫外線防御力についてですが、最近は紫外線散乱剤でありながら、SPF50PA++++の商品も珍しくなくなりました。
紫外線吸収剤に使われている主な成分
日本製の日焼け止め商品に使われている、主に3種類の紫外線吸収剤です。
この3種類だけで、約75%を占めます。(これ以外にも種類はあります)
【UV-Aに強い紫外線吸収剤】
(化粧品成分表示名称)
t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
(医薬部外品表示名称)
4-tert-ブチル-4′-メトキシジベンゾイルメタン
(特徴)
水に溶けず油に少しだけ溶ける、油溶性で個体の紫外線吸収剤です。
光に対する安定性に欠けるため、UV-Bに強いメトキシケイヒ酸エチルヘキシル(後述)と一緒に使われることが多いです。
【UV-Bに強い紫外線吸収剤】
(化粧品成分表示名称)
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(改正名称)
メトキシケイヒ酸オクチル(旧称)
(医薬部外品表示名称)
パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル
(特徴)
油溶性で液状の紫外線吸収剤です。
酸化しやすいため、酸化防止剤のBHTと一緒に使われることが多いです。
【UV-AもUV-Bも吸収する紫外線吸収剤】
(化粧品成分表示名称)
オキシベンゾン-3
(医薬部外品表示名称)
オキシベンゾン
(特徴)
ベンゾフェノン誘導体のひとつで、油溶性の紫外線吸収剤です。
日焼け止めやメイクアップ化粧品だけではなく、マニキュアや香水まで幅広く使われています。
稀に皮膚アレルギーや光アレルギーを起こすため、肌の弱い方は避けた方が良い成分です。
痒みを伴う湿疹が出た場合には光感作の可能性があります。
紫外線散乱剤に使われている主な成分
紫外線散乱剤は、UV-AもUV-Bも反射させます。
【酸化チタン】
(化粧品成分表示名称)
酸化チタン
(医薬部外品表示名称)
酸化チタン、微粒子酸化チタン
(特徴)
イルメナイト(鉱物)を砕いて作られた白い紫外線散乱剤です。
光の反射率は高いものの白浮きしたり使用感が悪くなるため、酸化亜鉛と一緒に配合して使いやすさを向上させることが多いです。
【酸化亜鉛】
(化粧品成分表示名称)
酸化亜鉛
(医薬部外品表示名称)
酸化亜鉛
(特徴)
可溶性亜鉛溶液または亜鉛鉱石から合成される白い粉末状の紫外線散乱剤です。
酸化チタンに比べるとカバー力は弱いですが白浮きしにくくコストも安価なため、酸化チタンと一緒に使われることが多いです。
まとめ
簡単にいうと、こんな感じになります↓
- 紫外線吸収剤の方が使用感が良くUVカット効果が高いけれど、刺激が強い
- 紫外線散乱剤の方が刺激が弱く安全性が高いけれど、使用感が悪い
ただ、上にも書いた通り最近は両方とも改善されつつあるので、選択肢が多くなりました。
- 紫外線吸収剤の刺激を弱くするため、成分のカプセル入り商品が増えた
- 紫外線散乱剤の使用感を良くするため、ナノ化された商品が増えた
とはいっても個人的には、アレルギー肌だったり肌の弱い方、敏感肌の方は、やはり紫外線散乱剤の方が安心だと思います。(散乱剤でもアレルギー反応が出ることはあります)
使い心地よりまずは肌の調子が一番の優先事項ですからね。
それでも紫外線吸収剤の使いやすさは魅力的だと思うので、購入する場合は店頭で試したりパッチテストしたり、買ってから「痒みが出て使えない><」なんてことのないように、ご注意ください。
普通肌の方は、一般的に”刺激が強い”と言われている限り「紫外線吸収剤を自信を持ってお勧めする!」と言い切るのも躊躇しますが、紫外線吸収剤の方が使いやすいと思います。
刺激が心配でしたら、成分がコーティングされているタイプを選ぶという手もあります。
私は現在、コーティングされている紫外線吸収剤の日焼け止めを使っています。
多少の敏感肌ではありますが、刺激も無く普通に使えています。
私の使っている日焼け止めのレビュー記事はこちらをご覧ください↓
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