アーティチョーク葉エキスが美白と毛穴に効く理由はシナロピクリン!

時々スーパーやレストランで見かける食用のアーティチョークはご存知でしょうか。

食用として食べるのはほとんどが実の部分ですが、アーティチョークの葉には美容と健康に嬉しい成分がたくさん詰まっています!
その中でも特に女性にぴったりなのが、「シナロピクリン」という成分。

今日はシナロピクリンが美白や毛穴に有効とされている理由についてのお話です。

スポンサーリンク

シナロピクリンとNF-kBについて

いきなりNF-kBなんて、知らない名前が出てきた!と思うかもしれません。
でもシナロピクリンと深い関わりがあるので、まずはNF-kBについて説明します。

・NF-kBとはどんな悪さをするやつ?

人間の身体は数万個の遺伝子情報によって成り立っています。
そのたくさんの遺伝子たちは必要に応じて必要な時だけ働くので、普段何もない時はスイッチオフの状態で待機しています。

そのスイッチの権限を握るのが「転写因子」と呼ばれるたんぱく質ですが、NF-kBはその一種です。
炎症細胞やがん細胞などが刺激されるとスイッチオンになり、働き始めます。
身体を守るために働くのですから、それ自体は悪いことではなく、むしろ必要なことです。

ただ困ってしまうのはこのNF-kB、炎症や刺激が長く続くと暴走してしまい、歯止めがきかなくなるんですよね^^;

例えば紫外線を浴びるとスイッチオンになり、メラニンを作ったり皮膚を厚くして、身体を守ろうとします。
そのようにして守ってもらえないと、皮膚がんになってしまうかもしれないですからね。
ここまでは正常な働きです。

でも紫外線を浴びたり日焼けして肌が炎症を起こしている時間が長くなるとNF-kBが暴走して、必要以上にいつまでもメラニンを作ったり皮膚を厚くする作業を繰り返します。
その結果、シミがたくさんできて、皮膚もゴワついてしまうことに・・・

「紫外線を浴びるとスイッチオンになる」というのは、NF-kBの活動のほんの一部です。
それ以外にも様々な条件下でスイッチオンになり身体を守ろうとしますが、やりすぎてしまうのです(笑)

・シナロピクリンとNF-kBの関係

アーティチョーク葉に多く含まれるシナロピクリンは、このNF-kBの暴走を抑制する働きがあります。
猛獣使いみたいなものです。

NF-kBの暴走を抑制する成分はシナロピクリンだけではないのですが、現時点ではシナロピクリンが一番有効ではないかと言われています。

シナロピクリンが美白と毛穴に効く理由

前項の「NF-kBの暴走をシナロピクリンが抑制する」という話を踏まえ、美白と毛穴について説明していきます。

・シナロピクリンの美白への効果

先ほどの例でも挙げましたが、紫外線でお肌が刺激を感じるとNF-kBが活性化して、防御行動としてメラニン色素を生成したり肌修復をしようとします。
それが暴走してしまうと肌が老化の一途をたどるのですが、シナロピクリンはNF-kBの暴走を抑えます。

もちろん、紫外線を浴びたらメラニンを作って肌を守ってもらわないといけないのですが、必要以上のメラニンは作らせません。
そのメカニズムが、シナロピクリンの「美白効果」ということになります。

化粧品で謳われている「美白効果」にはいくつかの種類があります。
「肌の色を白くする」「シミを作らせない」「シミを薄くする(消す)」などなど。
それぞれの目的によって、有効な成分も違います。

シナロピクリンの効果は「肌色を白くする」「シミを薄くする」というより、「肌の白さを保つ」「シミを作らせない」という、防御型の作用になります。

同じ防御型でも、メラノサイトやチロシナーゼ(メラニン色素の元)に直接アプローチしてどうにかしようという成分ではなく、そのもっと以前の、遺伝子レベルでメラニン生成を抑制ということになり、一般的な美白成分とは性質が違うようです。

・シナロピクリンの毛穴への効果

毛穴トラブルはけっこう細分化されています。
毛穴トラブルの種類だけでも「毛穴の開き」「毛穴の黒ずみ」「毛穴の詰まり」などいくつかあり、その原因も「皮脂の過剰分泌」「乾燥」「汚れ」「不全角化」などなど。

毛穴トラブルについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください↓

毛穴トラブルの原因や症状は種類がたくさんあります。ただ、解消方法はわりと共通しています。毛穴と皮脂の関係性をしっかり把握して、これ以上毛穴トラブルに悩まされないようなケアをしましょう!

さて、シナロピクリンと毛穴の関係ですが、やはりここにもNF‐κBが関わってきます。
毛穴周辺の角質異常、毛穴のメラニンによる黒ずみ、毛穴のたるみ、たるみによる開きなども、NF‐κBの暴走によって引き起こされてしまうのです。
ですからNF‐κBの暴走を抑えられるシナロピクリンは、毛穴トラブルにも有効なんですよね。
また、シナロピクリンには毛穴の引き締め効果もあります。

シナロピクリンの実験結果

・メラニン生成の実験

美白成分のアルブチン50μg/mlとシナロピクリン0.5μg/mlを三日間培養し、メラニンの生成を比較する実験が行われました。
その結果、シナロピクリンの濃度はアルブチンの1/100しかないにも関わらず、生成抑制率は約五倍になりました。

アルブチンというのは、資生堂が開発した厚生労働省認可の医薬部外品美白有効成分です。
シナロピクリンのメラニン抑制パワーがどれだけ強いのか、思い知らされますね。

・ヒト試験での毛穴引き締め効果

一丸ファルコス株式会社により、2ヶ月間のヒト試験が行われました。
1日2回、洗顔後にアーティチョーク葉エキスを肌に塗布する実験です。

その結果は以下の通りです。
・「改善効果あり」60%
・「改善の兆しあり」20%
・「改善しない」20%

何かしらの改善効果を感じられた人が約80%になります。

アーティチョーク葉エキス入り化粧品を購入時の注意点

今日はアーティチョーク葉に含まれるシナロピクリンだけにスポットを当てましたが、アーティチョーク葉に含まれている成分は他にもたくさんあり、実はシナロピクリンが絶対的な主役というわけでもありません。
しかも美白成分としては、まだあまり注目されていなかったりします。

アーティチョーク葉エキスには肝機能を高めるシナリン、コレステロール値や血中脂肪に働きかけるフィトステロールイヌリンなども含まれているので、健康食品としてスポットライトを浴びている一面もあります。

ですから、「アーティチョーク葉エキス」配合の商品があったとしても、必ずしも美白用・毛穴用とは限りません
特に外国製のアーティチョーク葉エキス製品は、シナロピクリンに重きを置いていない商品も多いですから、ご注意ください。

美容目的でアーティチョーク葉エキス商品を買う時はよく販売ページを読み、美白や毛穴用であるかを確認の上、レビューなども読んでおいた方が良いと思います。

私自身は、美白・毛穴用としてはもちろん、健康食品としても興味がありますけどね!