美容とアンチエイジングの基本三大ケアは、「正しい洗顔」「保湿」「紫外線対策」です。
今回は基本三大ケアのうちのひとつ「紫外線対策」、その中でも日焼け止め商品に関連するお話です。
歳を重ねるごとにお肌の悩みが増えていく方は多いと思いますが、実は肌老化の一番の原因は「老化」ではなく「紫外線」で、原因の80%を占めると言われています。
つまり、しっかりと紫外線対策をしていれば、肌老化がかなり抑えられるということになりますよね。
加齢や老化は誰にでも訪れることでどうしようもありませんが、紫外線対策は個人の頑張りしだいです。
今までしっかり対策してこなかった方は、逆に言えばまだアンチエイジングの策が残っているということになります。
紫外線対策にも方法は色々ありますが、スキンケアの日焼け止め商品を使うことが一番手っ取り早く、愛用されている方も多いのではないでしょうか。
そして日焼け止めには必ず、「SPF」と「PA」という文字が書かれています。
日焼け止めの使い方でお勧めなのは、季節やその日の行動によって、使い分けることです。
そのためには、「SPF」と「PA」の意味を把握しておくことが必要になります。
SPFとPAとは、何の略?
SPF
「サンプロテクションファクター」の略です。
SPFは、UVB(紫外線B波)のブロック効果を示すものです。
PA
「プロテクションガードオブUVA」の略です。
PAは、UVA(紫外線A波)のブロック効果を示すものです。
紫外線A波と紫外線B波を簡単図解説明
皮膚は表面から、角層>表皮>真皮という順番で構成されています。
紫外線B波は表面までしか届きませんが、強力です。
SPFは紫外線B波に関係します。
紫外線A波は真皮にまで届いてしまいます。
PAは紫外線A波に関係します。
紫外線B波とSPFについて
UV-B(紫外線B波)は強力な力で肌の表面をダメージを与え、メラニン色素を増やして沈着させ、火傷(炎症)や皮膚がん、シミの原因になります。
波長は短いので、つばの広い帽子を被ったり日傘をさすとか、直接日光に当たらないような工夫すればある程度は防ぐことができます。
UV-B(紫外線B波)は地表に届く全紫外線の約5%に当たり、真皮まで届くことはありません。
SPFの後ろに付く数字は、肌が赤くなるタイプの日焼け(サンバーン)を防ぐ指標で、数字が大きいほど効果が高くなります。
現在は「50」が最高値で、「SPF50+」と書いてある場合はSPFが51より大きいという意味です。
普通は皮膚が日焼けするまで(赤くなり始めるまで)の時間が約20分といわれていますが、SPFの数字というのは、「その倍数だけ日焼けするまでの時間を遅らせることができますよ」という意味です。
例えば、SPF20は20分×20で400分、SPF50は20分×50で1000分。
SPFは日差しに対する防御力ではなく、「日焼けが開始するまでの時間をどれだけ遅らせることができるか」です。
仮にSPF10(200分)とSPF50(1000分)の日焼け止めクリームが手元にあったとして、真夏の昼下がり、とても日差しの強い時間に徒歩往復10分のお店に出かけようとした場合・・・
SPFの意味を知らないと、「日差しが強いから」という理由でSPF50を使うかもしれません。
でもSPFは日差しの強さには関係ないので、10分しか外出しないのであれば、SPF10の方でも良いということもあります。
ただ、結果的にはSPF50を使うことになると思うので、その理由は後述します。
紫外線A波とPAについて
UV-A(紫外線A波)は地表に届く全紫外線の約95%に当たります。
波長が長いので、直射日光を避けてもカーテンやガラスなどを突き抜けて届いてしまいますし、曇りの日でも安心できません。
短時間で肌を炎症させるわけではありませんが、ジワジワと肌の奥深くまで入り込むため、真皮内のコラーゲンやエラスチンなどにもダメージを与え、シミやシワ、たるみなどの原因を作ります。
いわゆる「肌老化」ですね。
PAの後ろに付く「+」の数が多いほど、紫外線A波に対する防御力が高くなります。
以前は「PA+++」が最高値でしたが、2012年に測定方法や表示方法が改定され、2013年からは「PA++++」も加わりました。
現在は「PA++++」が最高値になります。
「紫外線を遮る」指標になるので、短時間しか出かけなくても紫外線の強い季節や紫外線の高い場所(海やスキー場など)に出かける場合は、PAの+の数が多いものを選ぶのがいいでしょう。
下の表は、日焼け止めを塗っていない時と比べた、紫外線防御効果の大きさです。
UVケア商品を使う際のポイント
SPFの数値、PAの「+」の数などの効果は、1平方cmあたりで2mgの日焼け止めを塗った場合が基準になっています。
これが具体的にどのくらいの量かといいますと、顔全体で500円玉くらいの大きさです。
あまり薄塗りだったり途中で汗で落ちてしまうと効果を最大限に発揮できません。
じゅうぶんな量を数時間おきに塗り直すことが大切です。
「とりあえず数値が高いの使っておけばいいでしょ」といわれればそこは微妙で、効果が高い分、肌に負担をかける成分が多めに入っていることもあります。
冒頭でも書きましたが、UVケア商品を選ぶときは負担をかける成分について厳選したり、出かける場所や時間帯、外出時間の長さやその日の天気、時期などによって、使い分けることも大事です。
SPFとPAについてを理解できた方は、「日差しが強い日でも長時間の外出にならないなら、PAの「+」の数さえ多ければもSPFの数値が低くても平気よね?」思うかもしれません。
理屈としては確かにその通りなのですが、SPFの数値が低いのにPAの「+」だけ多いという商品はなかなか見つからず、SPFの数字の大きさとPAの「+」の数は、だいたい比例しています。
真夏の晴れた日の昼間などは、強い日差しからの防御を考えると「PA++++」が一番適していています。
そして「PA++++」のUVケア商品を使おうとすると、どうしてもSPFは50かそれに近くなってしまうと思います。
まとめ
・SPFの数値は、紫外線B波が肌を赤くさせるまでの時間目安を示す
・PAの「+」の数は、紫外線A波に対する防御力の高さを示す
・表記通りの効果を得るには、顔全体で500円玉大ほどの量が良い
・季節や場所などの環境により、UVケア商品は使い分けた方が良い
・SPFは「50+」、PAは「++++」が最高値
・紫外線A波は部屋の中でも届く
・肌老化原因の80%は、紫外線によるもの
【関連記事】