敏感肌の人は特に注意!化粧品に含まれる刺激の強い成分

「添加物」と聞くと、いかにも「悪い成分」というイメージがありますが、それぞれがそれなりの目的を持って配合されています。
ですから「添加物」=「悪」と言い切れるわけではないのですが、それでもできれば避けたい添加物もあります。

とはいっても今どき、いきなり危険にさらされるほどの猛毒や、常識の範囲を超えた大量の添加物が使われていることはまずありません。
そんなことをしてもし事故でも起こったら、メーカーにとっても大打撃ですし・・・
それに、不安のある成分は上限の規制がありますので。

だから普通肌の人はそれほど(化粧品による)肌トラブルに見舞われないとは思いますが、敏感肌の人には刺激が強すぎる成分もあります。

「敏感肌も含めて全員に優しい成分だけでいいじゃん!」と思うかもしれませんが、刺激の強い成分って美容効果が高かったり、防腐やその他の効果が優れていたり、安価に仕上げられたりするので、完全に排除することは難しいですよね。
「刺激を感じない人にとってはありがたい成分」という一面もあるのです。

今回は敏感肌の方が化粧品を”成分で選ぶ時”の参考になればと思い、比較的刺激の強い成分をまとめてみました。
(※この成分さえ避けていれば大丈夫!というわけではありません)

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合成界面活性剤

合成界面活性剤の使用目的

・油と水を混ぜて一体化させるための乳化剤として

・洗浄剤として

・有効成分を混ぜ込む役目

合成界面活性剤に懸念される症状・副作用

・刺激が強い

・肌のバリア機能を壊す

・肌を乾燥させる

・成分によっては発がん性の疑い

合成界面活性剤の中でできるだけ避けたい成分

・ラウリル硫酸ナトリウム

石鹸やシャンプーの泡立て成分として使われます。
合成界面活性剤の中で一番注意が必要で、刺激が強く、肌を乾燥させやすくします。

・ラウレス硫酸ナトリウム
ラウリル硫酸ナトリウムを改良して刺激を弱くした成分ですが、それでも刺激が強いので敏感肌の方は注意が必要です。

・ステアリン酸
ラウレス硫酸ナトリウムの代用として使われたりします。
皮脂を落とす力が強く、バリア機能を低下させて乾燥を招きます。

・(C14-C16)オルフィンスルホン酸ナトリウム
ラウレス硫酸ナトリウムの代用として使われたりします。
皮脂を落とす力が強く、バリア機能を低下させて乾燥を招きます。

・パレス-3硫酸ナトリウム
皮脂を溶かす力が強いので、乾燥の原因になり得ます。

防腐剤

防腐剤の使用目的

・殺菌、防腐作用

防腐剤に懸念される症状・副作用

・肌再生に必要な細胞の破壊

・皮膚炎症

・アレルギー反応

・環境ホルモンの疑い

防腐剤の中でできるだけ避けたい成分

・パラベン
アレルギー反応が出る、ホルモンバランスを崩すなどの可能性があります。
皮膚と粘膜に対しての刺激が強く、発がん性の疑いも持たれています。
パラベンにも色々種類があるのですが、特に一番刺激が強いとされているのが、ブチルパラベンです。
要注意成分ですので、どのパラベンも使われていない化粧品には、たいてい「パラベンフリー」「パラベン無添加」などと書いてあります。

・フェノキシエタノール
天然に存在する成分でパラベンの代わりに使われることが多く、イメージの良い成分です。
でも実際のところ、刺激や毒性などの危険性は、パラベンと同程度ではないかとの報告があります。

・エデト酸(EDTA)
ぜんそく・発疹などのアレルギーを起こすことがあります。
万が一体内に入った場合、血圧降下・腎機能障害の恐れあり。

・安息香酸Na
皮膚、粘膜、喉、目、鼻への刺激と、アレルギー反応の出る可能性があります。
染色体異常の報告あり。

合成油性成分

合成油性成分の使用目的

・肌への馴染みを良くして化粧品を使いやすくする

・保湿作用

合成油性成分に懸念される症状・副作用

・皮脂を落としすぎて乾燥を招く

・肌のバリア機能を壊す

・アレルギー反応

・皮膚呼吸をさせない

合成油性成分の中でできるだけ避けたい成分

・ミネラルオイル(鉱物油)
クリームなどに含まれている場合は低刺激ですが、クレンジングに使われている場合は皮脂を落としすぎて皮膚の乾燥を招きます。
不使用の場合は「鉱物油フリー」「鉱物油無添加」などと表記されていることが多いです。

・ベンジルアルコール
粘膜への刺激が強く、ただれを起こすことがあります。

・ラノリン
アレルギー反応の恐れあり。

水溶性成分

水溶性成分の使用目的

・化粧品の水分として(特に化粧水)

・保湿作用

・収れん作用

・殺菌、防腐作用

水溶性成分に懸念される症状・副作用

・肌や目への強い刺激

・肌荒れ

水溶性成分の中でできるだけ避けたい成分

・エタノール(エチルアルコール)
殺菌、保湿、収れん効果などがあるのでよく使われる成分ですが、アルコール成分ですのでアルコールアレルギーの方は注意が必要です。
刺激が強く、肌を乾燥させる恐れがあります。
「アルコールフリー」「アルコール無添加」などと表記されている場合は、エタノールは使われていないと思って良いでしょう。
ただ、エタノールが使われていない場合は、他の防腐剤が使われている可能性があります。

・PG(プロビレングリコール)
浸透性が良いので使い心地はいいけれど、刺激が強く接触性皮膚炎を起こす可能性があります。

紫外線吸収剤

紫外線吸収剤の使用目的

・日焼け止め

紫外線吸収剤に懸念される症状・副作用

・肌の炎症

・肌の乾燥

・アレルギー反応

・環境ホルモンの疑い

・発がん性の疑い

紫外線吸収剤の中でできるだけ避けたい成分

・オキシベンゾン
UVケア効果は高いのですが、配合量が多いと肌や身体への悪影響が懸念されるため、配合量の上限が定められています。
経皮毒性、発がん性、環境ホルモンの疑いが晴れていない成分ですので、できるだけ避けた方が良いでしょう。

他によく使われる紫外線吸収剤には「t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン」や「メトキシケイヒ酸エチルヘキシル」などがありますが、オキシベンゾンは特に高SPF値の日焼け止めに使われることが多いです。

※体質やアレルギーにもよりますが、敏感肌の方はなるべく「紫外線吸収剤」自体を避けた方がいいかもしれません。
一般的には「紫外線吸収剤」より「紫外線散乱剤」の方が刺激が少ないと言われています。
白浮きしてしまったりベタベタ感が残るというようなデメリットもありますが・・・

美容有効成分、機能性成分

美容効果の高い成分=必ずしも刺激が強いとは限らないのですが、わりとその傾向が見られます。
以下の中には私も愛用している成分があり、美容効果としては気に入っていますが・・・
敏感肌の方には刺激が強いかもしれないので注意していただきたく、いくつか挙げてみます。

注意が必要な美容有効成分、機能性成分

・ハイドロキノン
シミや美白対策に使われる成分です。
私は愛用しているのですが刺激が強い成分ですので、敏感肌の方は濃度の低い化粧品から試すことをお勧めします。
気を付けて使わないと、白斑になる可能性もあります。

私が使っているハイドロキノン配合化粧品はこちら↓
低濃度で低刺激なのに、高濃度と同じだけの効果が出るよう工夫されたクリームです。
ビーグレン「QuSomeホワイトクリーム1.9」特徴と詳細

・サリチル酸
ニキビケアやピーリング剤として使われることの多い成分です。
皮脂をしっかり落とすことによる効果は感じられるのですが、その分、皮脂不足になることがあります。
皮脂が不足すると肌が乾燥し、乾燥を守るために皮脂が過剰分泌して、毛穴が広がる可能性もあります。
敏感肌の人にとっては、刺激が強いかもしれません。

・パパイン
角質を溶かすピーリング剤として使われますが、サリチル酸でも書いたように、皮脂の落としすぎによるトラブルが懸念されます。

・L-アスコルビン酸2-グルコシド(ビタミンC誘導体の一種)
メラニン還元作用があるのでシミケアとして使われますが、白斑の報告が多い成分です。
そのわりには美白作用が薄いとされていますので、安価な化粧品に含まれていることが多いので入手はしやすいのですが、この成分は避けた方が良さそうです。

ビタミンC及びビタミンC誘導体は、他の種類も全般的に刺激が強めなので、敏感肌の方はご注意ください。
低刺激になるような製造方法で作られている場合もありますが、それでも刺激は強いかもしれません。

・レチノール
ターンオーバーを早め、シミを肌の外に追い出してしまう作用があります。
ハイドロキノンとの併用で絶大な効果を出しているという口コミがたくさんありますが、それと同じくらい、皮がむけたり痒みや赤味を伴うというトラブルの報告もあります。
軽く敏感肌の私でもまだ怖くて試せていないので、敏感肌の方にはお勧めできません。

合成香料と合成着色料

その他のできれば避けたい成分として、「合成香料」と「合成着色料」があります。
使用目的はわざわざ書くまでもありませんので、省きます。

合成香料について

香料には、「合成香料」「天然香料」があります。

精油を使った天然香料は基本的にはお肌に優しいのですが、香料の原料になった草花などにアレルギーを持つ方は、その限りではありません。
アレルギーの無い方は、できるだけ天然香料の化粧品をお勧めします。

合成香料は刺激が強いこともあり、紫外線によって成分が酸化し、肌へ刺激を与えることもあります。
また、鼻から吸収され、神経系に悪影響を及ぼしたり、ホルモンバランスを崩したり、アトピーの原因になることもあります。

合成着色料について

ファンデーションや口紅などのメイクアップ商品に使われることが多いです。

成分表示に「○色△号」などと書いてあるのがタール色素で、全部で83種類あります。
全種類避けられるにこしたことはないのですが、特に「赤色202号(赤202)」と「赤色219号(赤219)」には注意が必要です。

・赤色202号(赤202)
アレルギー反応、接触性口唇炎、皮膚炎の恐れあり

・赤色219号(赤219)
接触性皮膚炎、かぶれ、深刻な色素沈着の恐れあり

綺麗な発色は捨てがたいですが…、私も赤色202号を使ったコスメ用品を持っています^^;
特に口紅やリップクリームにはご注意ください。

合成着色料以外の着色料として、動植物や微生物由来の天然色素、タルク・マイカ・酸化チタン・酸化亜鉛などを原料とする無機顔料などがあります。

まとめ

冒頭でも書きましたが、どの成分も何かしらの役には立っています。
でもそのメリットと比べてデメリットの方が大きいなら、避けた方がいいですよね。

使っていても特にトラブルが起きないなら問題ない成分と、何も感じなくても身体に溜まって悪影響があるものと・・・
また、アレルギー体質の人には絶対に使えなくても、そのアレルギーが無い人なら全然平気!という場合もあります。

自分のお肌の性質を知ると同時に、気になる成分があったら調べてみてくださいね。
加齢や生活環境と共に肌質が変わることもあるので、「今までの化粧品がどうも合わない・・・」と感じ始めたら、化粧品を変えてみることも必要だと思います。