『ビタミンの基礎知識』ビタミンって何?と聞かれて、スッと答えられますか?

ところでビタミンってなに?」というお話です。

ビタミンってあまりにも聞き慣れている言葉なので、なんとなく知っている気になっていましたが、いざ「簡単に説明して」と言われてしまうと、たいした返答ができない・・・
私以外にもそういう方は多いのではないでしょうか?

「ビタミンは野菜に多く含まれている」「ビタミンはお肌に良い」「ビタミンCはレモンに多く含まれている」くらいですと、けっこう知れ渡っていることですよね。

今回はあともう少しだけ、ビタミンについて深入りしてみましょう。
ビタミンの特徴を知り、効果的にビタミンを摂取していく手掛かりになれれば幸いです。

※今回は化粧品としてのビタミンではなく、主に食事やサプリメントとして経口摂取する場合のビタミンの話になります

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ビタミンとは?

生物の生存・生育に微量に必要な栄養素のうち、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称である(なお栄養素のうち無機物はミネラルである)。

生物種によってビタミンとして働く物質は異なる。たとえばアスコルビン酸はヒトにはビタミンCだが、多くの生物にはそうではない。ヒトのビタミンは13種が認められている。

ビタミンは機能で分類され、物質名ではない。たとえばビタミンAはレチナール、レチノールなどからなる。

ビタミンはほとんどの場合、生体内で十分量合成することができないので、主に食料から摂取される(一部は腸内細菌から供給される)。

ビタミンwikiより引用

基本的にビタミンは体内で作れないのですが(例外あり)、作れるかどうかは生物種によって違います。

物質名ではなく機能で分類され、機能の仕方も生物種によって違うので、人間にとっては「ビタミンC」の働きをしてくれる「アスコルビン酸」も、他生物の体内ではビタミンCの働きをしないこともあり、その場合はその他生物にとっての「アスコルビン酸」は「ビタミンC」ではないのです。

ビタミンの種類

大きく分けて、水溶性ビタミン脂溶性ビタミンがあります。

水溶性ビタミン

  • ビタミンC
  • ビタミンB群(B1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12)

脂溶性ビタミン

  • ビタミンA
  • ビタミンE
  • ビタミンD
  • ビタミンK

水溶性ビタミンの特徴と摂取のポイント

水に溶けやすいので、漬け置きをすると成分が流れ出てしまう
・調理時に出てしまった水分も出来る限り摂る(スープにしたり片栗粉で餡に)
・どんなに摂っても体内に貯蔵しにくく、尿などと一緒に排出されてしまう
・貯蔵できないので、1日数回に分けて摂る方が効果が長続きする
・貯蔵できないので、毎日継続して摂るのが効果的
・壊れやすい成分なので、不足しがち
・食事だけで過剰摂取になってしまうことはまずない

ポイント・壊れやすく体内から排出されやすいので、食事毎に摂ることを心がける
・出てしまった水分もできるだけ食べる

脂溶性ビタミンの特徴と摂取のポイント

油と相性が良いので、一緒に摂ると吸収率がアップする
・油溶性ビタミンの吸収には胆汁酸(肝臓でコレステロールから生成される)が必須
・胆汁酸が分泌されるのは食中と食後なので、サプリメントはそのタイミングで摂ると効果的
・水に溶けず体内に溜まりやすいので過剰摂取に注意が必要ですが、通常の食事ではそれほど心配いりません

ポイント・サプリメントを飲むとしたら食中か食後
・サプリメントでの過剰摂取に注意

ビタミン類の摂取目安と上限量

厚生労働大臣が定めた「日本人の食事摂取基準(2015年版)」による、1日の摂取推奨量と摂取上限量です。

※妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載がありませんが、 耐容上限量がないわけではありません
※ビタミンB6の耐容上限量は食事からの量ではなく、ピリドキシン(薬やサプリメントとして捉えてください)としての量です
※耐容上限量とは、過剰摂取による健康障害の発生するリスクが、ゼロではなくなることを示す数値です
※耐容上限量が書かれていない項目についてですが、科学的根拠が不十分であるために数値が示されていないだけです。耐容上限量そのものがないわけではないので、過剰摂取には注意してください
※「推奨量」ではなく「目安量」の場合、科学的根拠が不十分ということですが、適当な数値というわけではありません。

ビタミン様物質とは?

化粧品にしても食品にしても、時々「ビタミン様物質」という言葉を見かけます。
結局ビタミンなの?ビタミンじゃないの???について、お話しします。

ビタミン様物質は、ビタミンと同じような働きをしますがビタミンではありません。

ビタミン様物質の定義は、以下になります。
どれかに当てはまると、「ビタミン」ではなく「ビタミン様物質」になります

  • 他のビタミンと重複している
  • 正確な化学構造や化学物質名がまだ不明
  • 人間の体内で合成されるので必須ではない
  • 炭水化物、たんぱく質、脂質のどれかに分類される
  • 薬理作用はあるけれど、絶対に必要とは言えない
  • なんの働きもしないどころか、害になることがある

※ビタミン様物質は、最初からビタミンじゃないと分かっていたもの、過去にビタミンと間違えられていたものなどがあります。

ビタミンB群に付く数字の欠番はなに?

現在ビタミンB群の種類は、ビタミンB1、B2、B3、B5、B6、B7、B9、B12となっています。
数字が飛ばし飛ばしなのですが、これは前項目の「ビタミン様物質」に関係しています。

元々はビタミンB1~B17までありましたが、その後ビタミンの定義から外された成分が欠番になりました。
欠番した成分は、いまはビタミン様物質と呼ばれています。

まとめ

今日の記事のポイント・ビタミンは水溶性と油溶性に分かれる
・水溶性ビタミンは貯蔵しにくいので、コンスタントに摂取する
・水溶性ビタミンは水に流れ出てしまうので、汁ごと摂取する
・水溶性ビタミンは食事での摂取上限はあまり気にしなくても良い
・油溶性ビタミンは油との相性が良く吸収率が高まる
・油溶性ビタミンは体内に溜まりやすいので、サプリメントでの過剰摂取に注意

食事をするたびにいちいち気にすることはないと思いますが、ビタミンを摂りたくて食事する場合は、ビタミンの種類ごとに調理方法を考えるなどの工夫をしてみてくださいね。