生姜(しょうが)の有効成分、生と加熱後・乾燥後の効果の違い

生姜のぽかぽか効果は有名ですので、冷え性対策で食べている人も多いかと思います。
冬はもちろんですが、夏も冷房などで身体を冷やす状況は多いですから、簡単に身体を温めてくれる生姜は、便利ですよね。

ただ、生姜の温め効果というのは、生の状態か加熱・乾燥済みの状態かで変ってきます。

今回は、生しょうがと加熱・乾燥しょうがの、効果の違いについてのお話です。

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まずは「冷え性」と「低体温」の違いについて

・冷え性とは

血流が悪くなり、手足の末端まで熱が届かなくなり、冷えを感じる症状です。
基本的に体温が36度以上あるのなら身体の内部から冷えているわけではないため、手足の先に冷たさを感じたとしても、「低体温」とは違います。

・低体温とは

身体の内部(内臓)の温度が下がることを、低体温と言います。
普段私たちが脇の下や舌で体温を測るのは、内臓の温度を測っているわけです。(もちろん内臓の温度そのままが体温計に示されるわけではありません)
身体が芯から冷えている状態で、放置したままだと身体への悪影響が大きいです。

低体温のリスク・原因・改善方法などについて詳しくはこちらの記事をご覧ください↓

低体温によるリスクは?低体温を改善する方法は?低体温の原因は?冷え性との違いは?低体温は身体の不調の中ではわりと軽視されてしまいがちです。確かに低体温や冷え性がいきなり重篤な何かに繋がるということはありませんが、あまり長いことその状況ですと、重篤な病気の原因にもなりかねません。改善方法は色々とあるので、今のうちに平熱を平均値まで戻しましょう。

生しょうが→加熱・乾燥しょうがで、成分が変化

生姜は約90%が水分です。
残り10%の有効成分の中で、生の状態ですと「ジンゲロール」が主成分になり、乾燥や加熱をするとそれが「ショウガオー」や「ジンゲロン」に変化します。

ジンゲロール(生しょうが)の詳細

・ジンゲロールの概要

生姜の辛み成分のひとつで、ファイトケミカルの一種。
ジンゲロールを加熱や乾燥をさせるとショウガオールやジンゲロンに変化し、ジンゲロールの割合が減っていきます。

(ファイトケミカル:植物が自分で生成する化学物質の総称。紫外線や外敵から身を守るのが目的で作られます)

・ジンゲロールの効果、効能

・殺菌作用
・抗炎症作用
・解熱作用
発汗作用
・免疫力の向上
・胃液の分泌を促進
・末梢血管の拡張
・肩こり、腰痛
・冷えによるむくみ、頻尿
・抗酸化作用で老化の抑制
・吐き気や頭痛を抑える
・胆汁の分泌を促進
・コレステロール値を下げる

※薄いグレーの文字は、効果がショウガオールと被っています

・ジンゲロールの特徴、ポイント

・酸化しやすいので、食べる直前にすりおろす。
・免疫力の向上を目的とする人は、ショウガオールよりジンゲロール(生)の方が効果的。

【注意点】
ジンゲロールは末梢神経を温めるので、冷え性に効果的です。
でも末梢神経を温めるために身体の深部から熱を送り出すことになるので、深部(身体の芯)は温度が下がってしまいます。
体感的なポカポカ対策ではなく体温を上げたい(低体温解消)場合は、生しょうがのジンゲロールではなく、加熱・乾燥後のショウガオールを摂取してください。

ショウガオール(加熱・乾燥しょうが)の詳細

・ショウガオールの概要

生姜の辛み成分のひとつで、生姜を加熱または乾燥させると、ジンゲロールから変化します。

・ショウガオールの効果、効能

・殺菌作用
・発汗作用
・胃液の分泌を促進
・肩こり、腰痛
・冷えによるむくみ、頻尿
・免疫力の向上

・血栓予防で血液サラサラ
・喉の痛みや腫れ、せきの症状の緩和
・消臭効果
・活性酸素の除去
・癌細胞の抑制
・中枢神経を整える、興奮を抑える
・脂肪燃焼
・心臓からの血液拍出を増やし、身体を芯から温める

※薄いグレーの文字は、効果がジンゲオールと被っています

・ショウガオールの特徴、ポイント

・身体を芯から温めたい、体温を上げたい人は、加熱か乾燥させてショウガオールにしてから摂取するのが効果的
・ダイエット目的の人も、ショウガオールが効果的
・過剰摂取をすると下痢、腹痛、吐き気などの症状が出ることもあるので注意が必要
・「血栓予防の作用」は持病によっては好ましくない作用になるので、サプリメントで摂取する場合はかかりつけの医師に相談してください

ジンゲロン(加熱・乾燥しょうが)の詳細

・ジンゲロンの概要

生姜の辛み成分のひとつで、ショウガオールと同じく、生姜を加熱・乾燥させると生産されますが、含まれているのは微量です。

・ジンゲロンの効果、効能

・殺菌作用
・胃液の分泌を促進
・血行促進
・血圧の安定化
・発汗作用
・腸の動きを活発化させて便秘予防
・新陳代謝の向上
・脂肪燃焼、分解
・ダイエット
・成人病予防

まとめ

加熱・乾燥後のジンゲロンについても少し触れましたが含まれているのが微量ですので、基本的には生しょうがのジンゲロール加熱・乾燥しょうがのショウガオールについて考えていけばいいかと思います。

大きく違うのは、
ジンゲロールは末梢神経を温めるけれど身体の芯から熱を奪ってしまう
ショウガオールは身体の芯を温める
という部分です。

ご自分の体調や体質に合わせて、生しょうがにするか加熱・乾燥しょうがにするか、選んでみてくださいね。

生姜の摂取推奨量、過剰摂取や摂取に注意が必要な人(生姜摂取のリスク)、チューブ生姜の効果、ショウガオールにするための加熱時間や加熱温度などについては、こちらの記事をご覧ください↓(5/23~公開)

生姜は身体の温め効果があり、手軽に摂取でき、冷え性には嬉しい食材です。今回は生姜の1日摂取推奨量、過剰摂取や副作用、摂取に注意が必要な人・状況、ショウガオールにするための加熱時間・加熱温度などについてまとめてみました。